2013年8月1日木曜日

モビリティ社会という新しい未来のかたち


こんにちは。
最近は、ゲリラ豪雨と虫刺されに悩まされている榎戸です。



早いもので、パート1の「エネルギーと環境ビジネス最前線」についてのお話も今回で最終回です。


第3回目の講演は・・・

持続可能な開発を超えて


テーマ:「持続可能な開発」を超えて~未来のモビリティ社会~


講師:渡邉 浩之 氏 (トヨタ自動車株式会社技監)


 渡邉さんは、JEEFの理事もされている方で、トヨタ自動車で長年自動車の開発に関わっておられます。
 今回は、自動車の歴史とその発展、そして自動車を使った新たな社会(モビリティ社会)について、お話を聞きました。



まず、モビリティ社会とは

 モビリティ=移動性のことを指します。つまり、モビリティ社会とは、人をはじめとしたあらゆるものの移動性に注目した社会のことを言います。現在では、産官学が連携して、新たなまちづくりのモデルとしても注目されています。



さて、モビリティ社会がわかったところで…

全体の流れ

1.自動車の歴史

 自動車は、今から127年前に作られました。それによって、移動距離が拡大し、道路やまちが次々に誕生しました。こういった公共事業を生むのも、自動車の大きな役割であり、近年の発展には欠かせない存在であることがわかりました。

←印象的だったのは、トヨタ自動車が1997年のCOP3(京都議定書が作成された京都会議)に狙いを定めて、ハイブリッド自動車プリウスを発売した時の裏話。まだまだ完成度や価格に問題がありながらも、売り出すことを決めた、当時の奥田碩社長はすごいと思いましたし、持続可能な開発はその当時から注目されていたのだと実感しました。



2.自動車社会の課題とエネルギー

環境・エネルギー課題として…
・CO2削減
・ガソリンに代わるエネルギーへの対応
(バイオマスエネルギー)
・大気汚染の解消

社会的課題として…
・交通事故
・渋滞
・移動性の格差
・若者の自動車離れ

←ここで気になったのは、バイオマスエネルギーと若者の自動車離れに関してです。バイオマスエネルギーのもとは、トウモロコシやサトウキビなどの植物の糖やでんぷんからつくったエタノールです。これをガソリンの代わりに使用します。生産の課題が山積みとされていますが、今後改良がなされることが期待されているエネルギー源です。
 また、若者の自動車離れは私も実感しています。公共交通が発展していることや近年の自転車ブームも関係しているのかもしれないと思いました。



3.未来のモビリティ社会

 今後の日本における課題の解決をはかるには、モビリティ社会の実現が効果的だという内容でした。その際に、自動車の付加価値と新たなまちづくりという2つのアプローチが紹介されました。

 自動車においては、馬の時代から失われたものをヒントに新たな価値を生み出すことができるのでは、というお話でした。例えば、人が馬に乗っていた時代は、隣の騎馬者との対話があったのに、今では自動車という閉ざされた空間で対話が無くなってしまったという問題提起から、ICTを活用した繋がる空間の活性化に取り組でいるそうです。これによって、より社会との関わりを実感する機会が増えるかもしれません。
 まちづくりに関しては、子どもから高齢者まで住みやすく、環境にもやさしい低炭素社会を実現するまちの創造が挙げられていました。実際に、豊田市ではトヨタ自動車と市が連携して取り組んでいるようです。

詳細 http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/csr/stakeholders/society/mobility.html

←移動する主体である自動車や人だけでなく、その移動するフィールドとなる「まち」の創造まで考えられていることに驚きました。車にしてもまちにしても、新たな付加価値を生み出す際に「エネルギー」はキーワードになるんだと思いました。



感想

 自動車の専門的な話も多く、全ては理解できなかったのですが…自動車という移動から考えるエネルギー問題とそこから描く未来のまちの関係は理解できました。
 私の中での「エネルギー」は、電力や石油など発電施設や物質などハード面のイメージでしたが、今回の話であるような新たな社会とそこでの人々の生活を創造するソフト面の要素もあるんだと視野が広がりました。
 低炭素社会をはじめとした理想的な社会の実現のためにも、また日本が誇る自動車産業の持続可能な開発のためにも、モビリティ社会の今後に注目したいと思いました。


担当:榎戸

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