2013年11月15日金曜日

秋の青梅の自然と触れ合う!

青梅の社で楽しむ「大人のための樹木観察とアートな時間」



こんにちは。榎戸です。

去る11月2日(土)、地元の青梅で自然教育プログラムがあるということで…
「青梅市民として行かねば!」という変な使命感を抱きつつ、
お手伝いとして参加させてもらいました(笑)


開催地は、青梅の宮ノ平駅近くの「青梅の社」というフィールド。
ちなみに、宮ノ平駅は青梅駅~奥多摩駅の間に存在し、
単線かつ30分に1本という東京らしからぬローカル感の溢れる駅です。

そして、私はその駅からさらに奥多摩の方に進んだ駅を最寄としている青梅っこ。
当日もマイロードバイクで、集合場所へと向かいました。




木の特徴をよく観察し、それぞれの個性、周辺の環境、また他の生物との関わり合いにきづけるようになることを目的として、今回のプログラムは行われました。

参加者の年齢層はやや高めで、女性の方が多く見受けられました。




午前プログラム内容

自木紹介
(自分と好きな木のそれぞれを紹介しました)

青梅の社で見られる木々の紹介
(ヤマウルシとオニグルミの違いについてや、20種類以上あるどんぐりの見分け方などを共催の自然教育研究センター(CES)の根本さんと馬渡さんに教えてもらいました)

樹木観察ウォッチング
(2つのグループに分かれてガイドさんと共に植物や生物を観察しました)

収集した葉っぱのこすりだしや同定作業



午前のプログラムで印象的だったのは…「同定の作業」でした。

樹木ウォッチングの際に収集した「この木の実は何の実だろう!?」というある方の疑問からスタートして、みんなで図鑑を調べたり、拾った場所に戻って近くの木の特徴を調べてきたり、匂いを嗅いで「何かブドウっぽい」などと話し合ったのが楽しかったですし、大人たちが一生懸命調べてるその姿が子どものようで、愉快でもありました(笑)




そんなこんなで、お昼になりました。
弁当持参ということで、私も焼うどんをつくってきました。
(こう見えても、毎日自分でお弁当をつくって大学に通っているのですよ)


そして、お弁当を食べ終わってからは、お待ちかねの焼き芋の準備に取り掛かりました!

丸丸一本を濡れた新聞紙で包み、それをさらにアルミホイルで包んで準備完了です。
この時、アルミホイルで包みきれない部分があると、そこから芋が燃えて炭になってしまうので、注意しましょう。


焼き芋の準備と同時進行で午後のプログラム再開です!




午後のプログラム

森のアロマ作り
(4種類のアロマづくりに挑戦しました)

オリジナル樹木図鑑作り
(拾った落ち葉で貼り絵や自分だけの図鑑を作成しました)

振り返り

焼き芋の実食



印象に残っているのは…「アロマ作り」「焼き芋」です!


森のアロマづくりは、4つのチームに分かれて、それぞれにスギ、サンショウ、ナンテン、シラカシを取って来てもらい、馬渡さんの指揮のもとアロマ作りをしました。


まず、鍋の3分の1くらいまで水ととってきた葉っぱを入れます。
その鍋に小さなカップを浮かべ、鍋のふたを裏返しにして火にかけます。
沸騰した鍋から発生した水蒸気を浮かべたカップに溜めることで、純度の高いアロマが生成できます。


待っている間は、焼き芋の焚火にあたったり、落ち葉のちぎり絵をしたり、アロマの匂いを嗅いだりと、それぞれ思い思いに過ごす時間となり、参加者の方とも色んなことが話せて充実していました。


そして、30分くらいたったら火をとめて、溜まったアロマを小瓶に移し、蒸留水を加えて、世界に一つだけのアロマ水をつくりました。
アロマ水をつけ比べて、匂いの違いや、伸びの違いを確かめ合いました。個人的には、シラカシが良かったです。




そして、素敵なお土産ができたところで、
焼き芋もできあがりました!
ヒノキの材木のおがくずを使ったたきぎで、
なんとも贅沢な仕上がりになりました。


アルミホイルを剥くまで、芋の大きさと焼き具合がわからない焼き芋ですが、今回の芋は大当たりでした。
焦げていないし、中は黄色くホクホクしていて甘く
ホントに参加してよかったなあとしみじみ感じました。








参加してみて感じたこと…

地元のことなら、何でも知っていると自負していました。しかし、まだまだ知らない土地や季節ごとに魅力ある植物が存在していること。そして、その魅力を伝える方法も、このような自然プログラムを始め、まだまだいっぱいあるということを感じました。


そして、今回の体験を受けて、いつか自分で青梅での自然教育プログラムやエコツアーを企画して、多くの人に青梅に訪れてほしいと改めて思いました。
その際には、ぜひとも焼き芋などの「食の学び・魅力」も取り入れようと思います(笑)















2013年11月11日月曜日

豪華2本立て!話題のロングトレイル


PART3 自然のチカラ 第2弾!!
「三陸復興国立公園」と「みちのく潮風トレイル」の魅力/
ロングトレイルから見えてくるもの



「三陸復興国立公園」と「みちのく潮風トレイル」の魅力 / ロングトレイルから見えてくるもの



お久しぶりです。榎戸です。
ここ最近は、エコツーリズムの国際大会に参加したり、南三陸を訪れたりと…盛りだくさんでした。
そして、今回の講座は、そういった自分の興味に関わっている面も多くて、勉強にもなりました。




今回は、お二人の講師の方に講演していただきました!!





鳥居 敏男 氏
環境省 国立公園課課長

主に日本の国立公園とトレイルの魅力を紹介していただきました。




そもそも「国立公園」とは?

国立公園とは、優れた自然の風景地を保護すると共に、国民の保護・休養、教育などの利用の促進、そして生物の多様性の確保に寄与することを目的にアメリカで最初につくられました。
日本においては、1934年に最初の国立公園が指定され、現在30もの国立公園が存在するそうです。


「グリーン復興プロジェクト」

「森・里・川・海が育む自然とともに歩む復興」という理念のもとに、国立公園を核としたグリーン復興プロジェクトが、現在環境省進行中です。


<イメージ図>
三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興のビジョン
出所:環境省HP http://www.tohoku-trail.go.jp/outline (最終アクセス:2013年11月11日)


具体的には、自然の恵みやその土地の文化を活用するエコツーリズムの推進すること、津波などの自然の驚異を学ぶ機会を与えること、そして持続的な社会を実現させる人材を育成することなどが考えられています。


その中のでも、今回は「みちのく潮風トレイル」について詳しく説明してもらいました。


長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」
みちのく潮風トレイルの位置概略
トレイルとは、森林や原野、里山などにある「歩くための道」を指す言葉です。

現在、青森県八戸市蕪島から福島県相馬市松川浦までの範囲が整備されており、歩くスピードで旅することで、車の旅では見えない風景、歴史、風俗や食文化などの奥深さを知り、体験する機会を提供します。

特徴としては、日本最長の700キロ以上であることと、町や集落を通り地元の人との交流が持てるように設定したことだそうです。

出所:環境省HP「みちのく潮風トレイルとは」
http://www.tohoku-trail.go.jp/(最終アクセス日:2013年11月11日)




→大学のゼミ活動で、エコツーリズムによる復興支援をおこなっていることもあり、国立公園の話は知っていたのですが、「みちのく潮風トレイル」のことは知りませんでした。なので、実際にたどってみたいと思うようになりました。
また、エコツーリズムは環境保全と観光振興、地域振興の3要素から成り立っています。このグリーン復興プロジェクトによって先述の3つが達成されて、少しでも復興が進むことを願いたいですし、自分も改めて貢献できるように頑張ろうと感じました。






続いて…





中村 達 氏
日本ロングトレイル協議会代表委員

日本と海外のロングトレイルについて紹介していただきました。




今注目の「ロングトレイル」

日経トレンディの2013年のヒット予想商品の1位に輝いた「ロングトレイル」。最近のアウトドアトレンドである、山ガールと中高年、富士登山、ロングトレイル、野外フェスと言われているそうです。

→中高年とロングトレイル以外の全てに該当する私としては、ロングトレイルに挑戦したい気持ちが強くなってきました!



日本と海外のロングトレイル
 
日本ロングトレイル協議会には、現在10のコースが参加しています。数10キロのものから数100キロまで様々です。

→その中でも印象的だったのが、高島トレイルのお話です。このトレイルには、現在12人のガイドさんがいて、みなさんこのガイド業を生業としているということでした。
まだまだ、エコツアーなどのガイドさんが、専業ではやっていけない状況が続く日本においては、成功例だと言えますし、そこに新たなビジネスの可能性を感じました。



そして、海外のロングトレイルについて。
まず、印象的だったのはその長さ。イギリスのフットパスは22.5万キロあるそうです。
そして、もう1つは、歩くだけでなく、自転車での通行が可能なことです。

→なんて素敵なことでしょうか!自転車と山登りが趣味の私にとっては、大変魅力的です。日本においても、道の整備がますます整備させれることを期待してやまないです。そして、そういった取り組みが、日本の自然を海外の方にアピールすることにも繋がっていけばいいなと思いました。



講座を受けて…

講師のお二人それぞれの違った視点からの「ロングトレイル」に関するお話を伺えたのが、1度で2度美味しい回でした。

昨今のアウトドアブームで、今までよりも多くの人が自然と触れ合う機会を得るのは良いと思いますし、それが経済的にも新たな市場を生み出すという点で良いと思います。
しかし、それによる弊害として起こりうる環境問題も同時に対処していかなければなりません。そういった観点のお話も講座で伺えたら、より内容の濃いものになり良いなと感じました。








2013年11月7日木曜日

森林で元気モリモリ!”森林セルフケア”


森には癒し効果があります。
森に入るとなぜ心が落ち着いたり、元気が出てくるのでしょうか。


みなさまこんにちは!
すっきり晴れた秋空の毎日に、にんまりしている菊池です。
(残念ながら、今日の東京は雨ですね…。)

早いもので、「市民のための環境公開講座」も終盤を迎えております。
来週12日(火)の第3回にて、2013年度の講座は終了となります。あっという間!


今回はパート3の第1回、
  森林で健康になろう!
     ”森林セルフケア”のすすめ
の講座レポートをお送りします。

講師は赤坂溜池クリニック院長 降矢英成先生です。



みなさん、”森林浴”をしたことはあるでしょうか?

一般的に森林浴とは、
「森林に入り、樹木の香気を浴び、精神的な安らぎと爽快な気分を得ること」
といわれています。
この意味の通り、森林浴といえば”リラックス”、そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

でも実は、この一言では表わせないくらい、森林浴、そして森林は不思議なパワーを秘めているのです


「森林が体にいい」ってどういうこと?

森林には、人間の心、そして体をも元気にしてくれる不思議なパワーが備わっています。
まずはそのパワーについて、探っていきましょう。

(1)森林のパワー1:フィトンチッド

”フィトンチッド”という言葉を聞いたことあるでしょうか?

フィトンチッドとは、樹木が自分を守るために出している化学物質のこと。そしてこの物質こそが、森林がもつ不思議なパワーの源!

フィトンチッドは、人間にやすらぎを与える効果をもつといわれています。

自律神経の1つである副交感神経を促進し、心身をリラックス状態にするのです。副交感神経は交感神経とバランスをとりながら、体の調子を整えてくれる神経です。このバランスが崩れたりはたらきが悪くなったりすると、心身の健康に影響を与えます。自律神経失調症や高血圧症がその例です。

そしてフィトンチッドにはこの自律神経のバランスを整え、心の調子、体の調子を整える効果があるのです。

またその効果は一過性といえど、ある程度の持続性が確認されています。
森林浴にいったそのときだけではなく、定期的に森林浴を継続していくことで長期的な効果が期待できるようです。


(2)森林のパワー2:森林のアメニティ機能

森林は私たちにアメニティ(快適性)を与えてくれます。そして森林浴では、その快適性を五感で感じることができるのです。

美しい風景を”視覚”から。
小川のせせらぎや小鳥のさえずり、森の静けさを”聴覚”から。
フィトンチッドの香り、花や土の香りを”嗅覚”から。
土や落ち葉、木の肌触り、通り抜ける風を”触覚”から。
山菜や木の実、キノコなどの森の産物を”味覚”から。

森林=樹木、というわけではないのですね。
森林はたくさんの要素から構成されていて、その一つ一つを全身で感じることが私たちにとって良い刺激となるようです。


医療としての森林浴…森林療法とは?

医療現場でも、森林浴は注目を浴び始めました。
降矢先生が院長をつとめる赤坂溜池クリニックでは、実際に森林療法がおこなわれています。
(参考:森林療生プログラム http://shinrinyojo.blog24.fc2.com

森林療法とは、森林浴や森林レクリエーション、カウンセリングなどを含む、森林の地形や自然を利用した”健康回復・維持・増進活動”のこと。

自律神経のバランスを測定するなど、その効果をみながら治療が進められていきます。
「森に入ると気持ちがよい」という個人の感覚は、実はもうすでに数値としてはっきり実証されているのです。
ストレスによる疾患への治療や、生活習慣病の予防・改善など多岐にわたる分野で効果が期待されています。


森林療法で”ホリスティック医学”

森林療法は”ホリスティック医学”としても注目されています。
ホリスティック医学とは、体や病気だけを診るのではなく、心や環境などを含めた人間全体を見据える医学のこと。

森林療法はホリスティック医学の概念を導入しやすく、赤坂溜池クリニックの森林療法ではこの点を重視したプログラムが組まれています。

例えば”癒し”を重視すること。
測定できない心の面やQOL(Quority Of Life)など、”癒し”が重視されます。そして森林は、フィトンチッドや景観による”癒し”効果が非常に高いのです。

例えば”人生観・世界観”を重視すること。
プログラムの中には、じっくりと、広い視野で生活習慣やストレスについてみつめる時間があります。森林は開放的な空間です。自然体であることや主体性をもつことの重要性に、気が付きやすい場所でもあるのです。

こうしてみると、医学なのにそこまでやるの?という印象すら受けそうですね。
森林療法は、こうしたホリスティック医学の概念を取り入れたプログラムで構成され、それぞれにゆっくりとした時間をとりながら、治療が進められていきます。

薬の効果はあげるか、さげるかのどちらか
けれど森林は、薬とは違います。心と体の上手なバランスをとってくれる「調整作用」は、森林だからこそできること
森林療法は薬の代わりではないのです。薬ではできないけれど、森林にはできることがあるんですね。


また降矢先生は、こうした治療としての森林療法だけではなく、私たちに広く森林に行くことを進めています。
ときどき森林に行ってみて、ウォーキングをしてみたり、景色を眺めたり、友人と食事をしたり、ゆったりとした気持ちになったり…
そういった時間の過ごし方もいいかもしれません。

森林で元気モリモリ!
素敵なだじゃれとともに、講座は締めくくられました。


講座を受けて…

私は山梨県の、とーっても田舎の出身です。
360度、どの方角を向いても森を見ることができます。

いま思えば、森林の恩恵を受けながら育ってきたのかもしれません。

例えば愛犬との散歩では、いつも林道を使います。
舗装された道路沿いを散歩する方が家から近いですし、歩きやすく便利です。
けれどなんとなく「気持ちがよくてすっきりする」ので、いつも林道を散歩していたのです。

(いつも散歩に利用している林道。鳥の鳴き声がBGM)

今回の講座を思うと、すっきりとする感覚は気のせいではなかったのかもしれません。秘密の森林パワーを受け取っていたのでしょうか?


もう何年も前から、過剰なストレスによる疾患や過労など、現代ならではの問題が叫ばれ続けていますね。
降矢先生のもとにも、そうして心身を痛めた患者さんがたくさんいらっしゃるそうです。

忙しいとどうしても、薬で治すことに頼りがちですが、本当は日常から離れて、ゆっくり休むことが必要なのかもしれません。しかし、健康のために森林を利用するという感覚は、まだ日本にはあまり浸透していないように思います。

そういったことも踏まえ、講座の冒頭で降矢先生は、「森林セルフケア」という言葉を使う理由について説明してくださいました。
森林を利用していくことをより身近に捉えてほしい、そして病気でない方がより健康になるために、予防としても利用できるということを広めていきたい、だからこそ「セルフケア」という言葉を使うのだとおっしゃっていました。


ちょうど秋の紅葉の時期ですね。
森林にいく、いってのんびりする、そういった時間はいかがでしょうか?


担当:菊池